ヘッドハンティング最前線~現役ヘッドハンターが語る~

人材採用は次なるステージへ ~ハンティング採用の急拡大~

2018年05月02日
担当
田邉 勝敏

ここ2,3年の間にハンティングサービスについて説明を受けたいという依頼が急激に増加している。しかも依頼企業は首都圏に本社を置く所謂、大企業のみならず、愛媛、新潟、岩手、といった地方主要都市。また、首都圏においても1名~20数名で会社を経営している所謂、中小・零細企業まで様々だ。

事実、ここ2,3年で、我々が実際ハンティングのプロジェクトを担当した企業の約60%は、地方都市の企業、首都圏の中小・零細企業であった。今採用現場では何が起きているのか。

成功報酬型採用手法の拡大期

私はプロフェッショナルバンクにてヘッドハンターとして活動するまでは、大手の人材紹介会社に在籍していた(今から20年近く前になるが)。その当時、企業は“成功報酬型”の採用手法に提案に対してすら反応は冷ややかなものであり、“ハローワーク・媒体広告で人は採用でき、高い成功フィーを払う必要性がない”とのことで、求人をお預かりこと、人材を紹介させて頂くことすら一苦労であった。

しかしながら、このような採用の状況は景気変動によって一変した。これまでバブル崩壊、相次ぐ大手銀行の破綻といった暗雲が立ち込める中、採用を控えていた企業が景気回復の兆しを掴むや否やこぞって中途採用に乗り出したのだ。

一方で、新卒時に希望の会社に就職できなかった方々はこぞって転職エージェントに登録を行い当時希望していた大手への転職を実現、リベンジ転職は急速に広がった。企業は従来の“求人を掲載して候補者からの応募を待つ”といった受身の採用手法では人材の確保が困難なものとなり、人材紹介会社を利用して能動的に求人を紹介してもらい、“成功報酬を払ってでも人材を確保したい”という考えに一斉にシフトしたのだ。

事実、当時所属していた私の人材会社の人材紹介部門の規模は一気に膨れ上がり、当時300名程度の部メンバーは、4~5年足らずで2000名以上にまで膨れ上がった。

まさに“人材紹介”という採用スタイルが市場において認知された瞬間であった。

ハンティング型採用手法の拡大へ

現在、ハンティング会社のメンバーである私は、この時の状況と非常に近しい現象がハンティング業界においても起こっていると感じている。“人材紹介で人は採用できるので、高い着手金を払ってまで採用する必要がない”と言っていた企業が、有効求人倍率1.5倍(地域によっては2倍)を超える景況感の中で“転職活動を行っているか否かに関わらず優秀な人材を探し、採用したい”という考えに変化しつつあるということだ。

そして、人手不足を切実に感じ、場合によっては人手不足によって事業の存続性の危機感まで感じているのは、首都圏にある大企業ではなく、紛れもなく地方に拠点を置く企業、首都圏の中小・零細企業なのである。

人材紹介からハンティング、この流れは少子化という要因もあって更に加速することが予測される。この様な状況下において、ハンティング会社である我々はクライアント企業に対して何をすべきか。最も重要なことはハンティングという新たな手法は採用において非常に有効な手法である、という事を明確に認知してもらうこと、これはすなわち、依頼案件に対する高い決定率(約90%)を維持することにあると考える。

ハンティングの依頼案件は、様々な問題(そもそも対象となる人材が希少、専門性が高い等)を抱えているケースばかりで、簡単にはいかないものばかりである。しかしながら、ともするとハンティングのプロジェクトが失敗して契約金が無駄になってしまうというリスクを取ってまで、クライアントが我々に依頼したことの裏側には、“その『人』の移籍が実現することによる企業の成長の可能性”、そしてなにより、“ヘッドハンターである我々への大きな期待”があるということを忘れてはならない。

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