プロねた。
Vol.073

プロフェッショナルの条件

2012年08月28日
担当
福良 英基

2008年秋のリーマンショックから続いていた雇用の過剰感が約3年ぶりに解消した。昨日の日経新聞によると復興需要や製造業の生産の伸びなどで経済活動が拡大してきた為だという。常に過剰とされて来た管理職や事務職でさえ過剰感が薄れ、販売職やサービス職については、リーマン前の水準に戻ったようだ。

一方で、働く人の意識はリーマン前とはもはや別のものとなっている。終身雇用を信じて入社した大手上場企業でさえ、業績不振となれば、もはやリストラは当然のごとく行われる世界へと変わり、その為に働く人の会社への帰属意識は希薄なものとなってしまった。代わって、自らの価値と処遇を確保する為に会社を移ることに前向きだという人材が増えてきた。

実際、当社に寄せられる転職支援の相談には、「今すぐに転職をする動機はないが、良い案件があれば紹介して欲しい」というものが近年、急増している。今の企業が衰退する前に先手を打とうというのが新たなプロフェッショナルの動きとなりつつある。

ふと、P・F・ドラッカーが自らの著書で唱えた、有名な言葉が日本で現実的なものになって来た気がした。

「働く者、特に知識労働者の平均寿命と労働寿命が急速に伸びる一方において、雇用主たる組織の平均寿命が短くなった。今後、グローバル化と競争激化、急激なイノベーションと技術変化の波の中にあって、組織が繁栄を続けられる期間はさらに短くなっていく。これからは、ますます多くの人たち、特に知識労働者が、雇用主たる組織よりも長生きすることを覚悟しなければならない」(『プロフェッショナルの条件』より)

雇用がリーマン前に戻ったことを知る日に新たな覚悟を思う。

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